スズメの医学部屋

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運動神経がいいは才能?環境?運動神経についてまとめてみた

 

スポーツをしていたら必ず聞くのが「運動神経がいい」というものです。

 

 

確かに大谷翔平選手や桃田賢斗選手、朝倉未来選手などをみていると運動神経がいいといってしまうのもわかります。

 

ですが、人間の体の中には、運動神経という神経は存在しないにも関わらず、巷では運動神経の良し悪しが述べられています。

 

また、運動神経の良し悪しは遺伝だという考え方も広くいわれています。

 

では、実際才能は遺伝なのでしょうか

 

今回は、運動神経について考えていきましょう。


目次

 

 

 

運動神経の正体

 

運動神経という神経はないということは先程述べました。

 

体にあるとしたら運動神経細胞ならあるというところでしょう。

 

この運動神経の正体を結論から述べるなら、体を思った様に、考えたように動かせるように脳からの信号を調整できるということです。

 

体を動かすためには、大脳から信号が送られます。

 

この時、信号を送るのが一次運動野というところです。

 

ここから送られる信号を小脳が受け取ります。

 

そして、大脳や脊髄へと信号を送ります。

 

この小脳が受け取る場所ですが、10万箇所あると言われています。

 

この広さがあることによって体を大雑把に動かせるということです。

 

この大雑把が運動やスポーツを始めてやった時の状態です。

 

「動きに素人感がある」や「動きが固い」といったことは、これが原因なわけです。

 

ですが、この状態から練習を続けていくとその硬さは消えていきます。

 

これは、小脳が受け取る場所を限定していくためです。

 

はじめは広く捉え、後から必要な箇所に集中するといった感じです。

 

では、次にどのようにすれば小脳の受け取る場を限定することができるのでしょうか。

 

 


望むプレーができるようにするためには〇〇が必要

 

望むプレーができるかどうかが運動神経の良し悪しの分け目になるわけですが、どのようにするのがいいのでしょうか。

 

結論からいうと、「調整」をすればいいです。

 

プロの選手がよくビデオでフォームを確認しているといったことがありますよね。

 

これは、自分の力が最大限出せる状態から自分の体がズレていないかを確認するといわれていますが、これはプロじゃなくても用いることで十分効果があります。

 

上達をしていくためには微調整の連続が必要です。

 

こちらの記事

akitaros.hatenablog.com

にも扱いましたが、調整は脳が認識してくれるかが大切なんです。

 

こう動かすためには、ここの筋肉を引き締めて…なんて会話はそのためにあります。

 

この指導が正しいかどうかなのです。

 

残酷なことをいうと、指導者がよくなければこの調整はできるようになりません。

 

簡単な例を挙げると、卓球の石川佳純選手がこの指導者に恵まれている例だと言えます。

 

石川佳純選手のご両親は大学で卓球を続けていますし、お母さんに関しては実業団に入っていました。

 

つまり、石川佳純選手は、最も自分に適した調整をできる環境下にあったと考えられます。

 

また、野球の大谷翔平選手も兄が実業団で活躍できるほどですから、兄からの調整を受けることもできますし、高校時代は野球の名門花巻東高校で活躍していますから適した調整をすることができたといえるでしょう。

 

大谷選手の最近の骨格は遺伝?だと思いますが、あの骨格を持っていない選手も多数存在します。

 

幼少期から中高生という成長期の時期にどれほど環境が整っているかによって変わってくるということです。

 

それに合わせて、運動神経の遺伝的要因があるといったことも見つかっていないのが現状にはありますが、どれほど環境が大切かということが理解していただけたでしょうか。

 

遺伝と環境の割合は51:49といわれています。

 

いくら遺伝で51の力を持っていても、9の環境しかなければ運動神経を磨くことはありませんし、本人の力を十分に生かすことができないのです。


この調整は30代以降大切になってきます。

 

どういうことかというと、よく子供の運動会で転んでしまうお父さん、お母さんがいますよね?

 

これはこの調整を怠ったことが原因です。

 

転んでしまう保護者の多くは、学生時代に運動ができたという人が多数です。

 

しかし、運動から離れている時間が長いことや、筋力の低下などによって、小脳が受け取り方を間違えてしまいます。

 

その結果、頭と体がついてこない状態が出来上がります。

 

ダイソンのモーターで歯ブラシをしようとしているようなものです。

 

痛すぎて耐えきれません。

 

自分の今の状態にあった力の出し方を見つけることが必要なのです。

ですので、簡単に始めるならば、

30%→50%→70%→100%という感じで力の出し方を調整していくことをお勧めします。


では、まとめです

 

まとめ

  • 運動神経の良し悪しは調整ができるかどうか
  • 運動神経の遺伝的要因についてはわかっていない
  • 調整をできる環境こそが動きの改善に繋がる
  • 運動から離れていた時間が長い場合は徐々に力を上げていく感覚で運動する


いかがだったでしょうか

 

運動神経と一括りにするのは簡単ですが、運動神経がいい人たちは細かい調整を繰り返した結果の姿に過ぎません

 

彼らが陰でやっている想像を絶する努力の結晶を見れる試合が楽しいのはそういうことなのだと思います。

 

これからスポーツを始めるお子さんがいる方は、本人が望む環境を与えることも必要ですが、その時の指導者の力量にも目を向けてみると本人の力を最大限にまで伸ばす力があると思います。

 

やりすぎによる大怪我を避けることができるのも、指導者の力量です。

 

高校野球での投球制限が話題に一時期上がりましたが、怪我を防ぐのは指導者の役割です。

 

一昔前には、水を飲ませない、うさぎとびなど危ない練習行われていました。

 

私が学生のときには、科学的に怪我の恐れがあるスクワットをやるようにいわれましたし、バッティングフォームをチームで変えるという謎の指導もありました。

 

そういったことは少しずつ減ってきていますが、未だに間違ったストレッチが行われていることなど変わっていない部分があるのも事実です。

 

そういった間違えを熟知している、つまり力量のある指導者を私たちが見つけ、子供たちにはスポーツを楽しんでもらう

 

それが最高の形なのかなと思います…

 

将来のプロとなる子たちがどのように育っていくのか楽しみですね!

 

 

それでは。

 

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参考文献

Newton別冊:健康の科学知識