スズメの医学部屋

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あまり理解されていないアドレナリンについてまとめてみた

 

漫画やアニメなどで出てくる「アドレナリンの出過ぎで痛みを感じていない」という会話は聞いたことある人も多いのではないでしょうか。

 

スポーツの実況でも、アドレナリンが出てるからといった解説がされていることがあります。

 

 

しかし私は、その会話に対して少し違和感を感じています。

 

半分あっていて、半分間違えているな

 

 

そもそもアドレナリンについて理解している人はどれくらいいるのかなとも思いました。

 

研究をするにあたり、体に関するあらゆる知識を学びます。

 

その中で、アドレナリンについての理解が間違えていることに気づき、毎回違和感を感じてしまうようになりました。

 

多くの人が誤解しがちな「アドレナリン」

 

そんなアドレナリンについて今日も一緒に学んでいきましょう。

 

 

目次

 

 

 

アドレナリンとは

 

アドレナリンは、ホルモン、神経伝達物質の一種です。

 

ホルモンや神経伝達物質は「セロトニン」、「オキシトシン」や「ノルアドレナリン」など様々です。

 

それぞれが効果を持つことで体が置かれる状況に応じた対応をしてくれています。

 

そんなアドレナリンはどういった働きがあるのかというと、簡単にいうと「戦うモード」のスイッチの一種です。

 

そうです。

 

戦うモードですので、体を興奮状態にしてくれているという感じです。

 

現代社会において獲物を狩るといったことは、もうゲームの中か、ディスカバリーチャンネルくらいのものでしょう。

 

ですが、昔は狩りをしていたわけですから、そのスイッチが今でも残っているということです。

 

この名残は、スポーツで生きています。

 

また、日常生活におけるストレスに対してもアドレナリンが分泌されるシーンというのたくさんあります。

 

そういったシーンに関わってるのが「アドレナリン」というわけです。

 

 

 

 

では、ここで問題です。

 

興奮状態でアドレナリンが関わっていることは次のうちどれでしょう。

 

1.力がわく

2.空腹がまぎれる

3.感情が昂る

4.痛みがまぎれる

5ランナーズハイ

 

 

 

 

 

正解は、

 

 

123です。

 

 

 

そう。痛みを感じなくなることにアドレナリンは関係していません

 

意外ではないでしょうか。

 

アニメとかで話されている内容に少し誤りがあったことがここでわかります。

 

 

そんなアドレナリンですが、どのように作られ、体に流れているのでしょうか。

 

次はアドレナリンのプロセスについて考えていきます。

 

 

アドレナリンができるまでのプロセス

 

アドレナリンが分泌され、効果を出すまでの過程は4つに分けることができます。

 

大脳辺縁系がストレスを感知する

 

大脳辺縁系と聞くと、難しく感じてしまう方もいるかと思います。

 

簡単にすると、「脳がストレスを感じた」ということです。

 

②感知により、視床下部が交感神経を興奮させる

 

視床下部とは、脳の下あたりにある部分で、いろいろな信号を出してくれています。

 

ストレスは人間の嫌だな、変だな、対応しないとなと、いった感じの状態に自分が置かれています。

 

そのためには、体を動かし対応しなくてはなりません。

 

体を興奮させ戦闘態勢に移らせるために興奮させる神経である交感神経のスイッチを入れているという感じです。

 

 

③副腎内の髄質が交感神経を刺激し、アドレナリンを分泌する

 

これは、簡単にいうアドレナリンを作ったということです。

 

④アドレナリンが血流に混ざり、全身へ

 

作られたアドレナリンが、血液に含まれ、全身に運ばれます。

 

交感神経が刺激されたことにより、血管を収縮させたり拡張させたりして、身体中に血液を回します。

 

そうすることで、人間の体は俊敏に動かすことができる状態にあるわけです。

 

血流量が上がるということは、心臓へ流れる量も増えますし、送り出す量も増えている状態にあります。

 

また、戦闘にはエネルギーを要します。

 

戦闘中にこまめに食事を取るわけにもいかないですし、食べたとしても消化には時間がかかり、すぐにエネルギーを作ることができません。

 

しかし、体内にある物質でエネルギーを作らなくてはなりません。

 

その時にアドレナリンが作用する、体内にある物質をエネルギーにする手助けをしてくれているのです。

 

 

聞く感じ、体に良いことが多そうに思えるアドレナリンですが、そうでもないこともあるのです。

 

次はアドレナリンの負の面についてみていきましょう

 

 

アドレナリンの負の面

 

アドレナリンが分泌されることで、得られる効果としては、

 

  • 空腹感を紛らわせる
  • 脂肪にくっつき、脂肪を燃やすことでエネルギーを作ってくれる

 

が挙げられます。

 

 

しかし、アドレナリンの過度な分泌は、身体、特に内臓への大きな負担となります。

 

アドレナリンを使ったダイエットなどがたまに紹介されていたりしますが、それはとても危険です。

 

アドレナリンの本来の働きは、

 

  1. 1日の活動に必要なエネルギーを作ってくれる
  2. スポーツでの力を発揮させてくれる

 

にあります。

 

アドレナリンの効果を用いたダイエットは過度のダイエットです。

 

そのダイエット方法は、将来的に心臓病の一種である狭心症に発症しやすくなるなど危険を含んでいます。

 

外見は綺麗でも、内側はボロボロはかなり悲しいことです。

 

長く持つわけがありません。

 

やりすぎには注意したいところですね。

 

 

では、最後にアドレナリンの間違えられている点について考えてまとめに移りたいと思います。

 

 

アドレナリンの間違った知識

 

①痛みを感じなくなる

 

結果からいうとアドレナリンは、痛みを感じにくくする物質ではありません。

 

でも、戦闘状態で痛みを感じなくなることがありますよね

 

 

これの正体は、脳内麻薬といった別の物質が働くことで起きるものです。

 

交感神経が働くことで、脳内ではノルアドレナリンセロトニンといった物質が作られます。

 

そういった物質が、痛みの伝達を邪魔することで痛みを感じなくなっているのです。

 

ランナーズハイの仕組み

 

辛くて、辛くて大変なはずなのに、それが快感になるといったことが陸上選手などには起こることがあるそうです。

 

ですが、これもアドレナリンの効果ではありません。

 

これの正体は「エンドルフィン」という物質によるもの

 

この物質は、痛みを抑え、幸福感を与えてくれます。

 

そのため、痛みを感じなくなり、逆に気持ちが高揚しているといった感じです。

 

そう考えると、自分で麻薬効果を出しているわけですから少し体って怖いくて面白いですよね笑

 

 

 

今日は、アドレナリンについてまとめてみました。

 

まとめ

 

  • アドレナリンは戦うためのスイッチの一つ
  • アドレナリンの分泌により、体の中では戦闘中でもエネルギーを補給できる
  • アドレナリンは脂肪にくっつき、エネルギーを作るけど、やりすぎると内臓がボロボロになる
  • 痛みを感じないのは、痛みの信号がアドレナリン以外の物質によって邪魔されているから
  • ランナーズハイの原因は、エンドルフィン

 

 

 

 

聴き慣れた言葉だからこそ、納得してしまう時があります。

 

こうやって改めて考えてみると面白いものですよね

 

最後になりますが、ストレスは万病の素です。

 

無理をしてはいけません。

 

ストレスを溜め込まず、自分らしいペースで過ごしてみてくださいね!

 

それでは。